ドイツ旅行
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2009/07/26(SUN)_2-1
美術館・博物館巡り。

ガイドブックでは、フランクフルトで見るところはそんなに無い印象でしたが、「博物館通り」含めて各所に美術館・博物館が点在しているので、折角なのでヨーロッパの美術館がどんな感じか見てみましょう、と。
事前に興味のあるところをピックアップして、街を散策しながら覗いてみる感じで。

フランクフルト・アム・マイン
先ずはじめは、歩いていた付近にあったモダン・アート美術館。
上から見ると、ケーキの一切れみたいな形になっているとの紹介ですが、地上からでは舟っぽい気もしたり。

今はちょうど企画展だったのか、ガイドブックとかにあるような常設展示は無かった感じ。
その企画展は、白い壁に幾何学模様の作品を描いた数々の展示。幾何学模様は嫌いではないですが、これで8.00EURはちょっと…。
今どこを歩いているのか分からなくなるような部屋の構成は、感じ方によっては面白いかも。

フランクフルト・アム・マイン
しばらく歩くと、ユダヤ人街記念館。入場時は、X線の手荷物検査と金属探知機のゲートで、さながら空港保安場のようです。
テロを警戒しての措置でしょうかね。

この場所は、ユダヤ人居住区(ゲットー)の遺跡が掘り起こされたところで、遺跡を屋内に残しつつ建てられたそうです。実際にゲットー跡を歩けたり、ユダヤ人の生活様式の紹介や食器・カトラリー類の展示などもあります。ユダヤの戒律を守って製造されている食料品の販売もありました。

A4コピー紙で作られた日本語パンフレットというか紹介誌が1.00EURで販売されており、購入してもみました。後に向かう、ユダヤ人博物館と共通のパンフレットです。

フランクフルト・アム・マイン
フランクフルト・アム・マイン
フランクフルト・アム・マイン
隣接して、ユダヤ人墓地があります。
ダビデスターとヘブライ文字が印された扉の奥は草木が生い茂り、その奥に墓石が無造作的に置かれているようでした。
中には入ってはいけないような空気感でしたので、外から覗くに留めましたが。

フランクフルト・アム・マイン
墓地の外壁には、1周に渡って亡くなられた方々の名前が刻まれたプレートがびっしりと貼られております。
終戦前の1944年没だとか、没日不明なものも…。

フランクフルト・アム・マイン
フランクフルト・アム・マイン
11時半。マイン川を渡る。

2009/07/26(SUN)_2-2
フランクフルト・アム・マイン
橋が色々と架かっているので、行ったり来たり。こちらは「Eiserner Steg」(鉄の橋)。

フランクフルト・アム・マイン
今日はよく晴れてました。後ろは、コメルツ銀行のオフィスタワー。

フランクフルト・アム・マイン
シュテーデル美術館。

マイン川沿い、Shaumankai。通称「博物館通り」。ここは、数々の博物館・美術館が建ち並ぶ一帯。
その中でシュテーデル美術館はShaumankaiの中でまず最初に取り上げられる美術館なので、行ってみよう、と。

まず、2/Fに上がると踊り場からは一面の巨大な写実派の絵画が飾られています。
外に出して展示するには運送が困難そうな大きな絵画も多く、こういうものは日本では見られないだろうなと思います。こうなると現地で見るに限ることにはなりますね。写実系の風景画も色々と。こちらは自分は好きですね。

ほかは、半分ほどが宗教画。イエス・キリストがゴルゴダの丘で張り付けられて胸を突き刺されて血が流れている、同じモチーフの絵が多いです。同じような視点での同じような画ですので、ちょっと食傷気味に感じたりも。こちらヨーロッパはキリスト教の国ですし、そういった絵が多いのは当たり前なのでしょうけど。

ですので、そのひとつ下のフロア、印象派の絵画・彫刻類が良かったですね。モネの淡い水面が描かれた絵に魅かれました。
特別展では、楽器やカーニバルを描いたオランダ絵画もあり、こちらもなかなか。

フェルメールやレンブラントなどの著名芸術家の絵画も収集・公開されておりますが、陶器や貴金属類の装飾的な作品といった展示は殆ど無かったので、こちらは個人的には残念ではありましたね。

フランクフルト・アム・マイン
美術館を出て、正面のマイン川沿いではお祭りみたいな催しがあり、屋台や子供の遊具などで大変賑わっておりました。

フランクフルト・アム・マイン
14時頃。空腹となったのでその出店でホットドッグを。ソーセージ長っ。でも美味。
あとは、チョコレートドリンクやジュースなどで水分補給。


次は、実用芸術博物館に…。ですが、間違えて隣の敷地の博物館に入っていることにあとから気づく。

フランクフルト・アム・マイン
最初、あれ?と思いつつも、入場料を払ってしまい、英語がなんとか話せる係員に案内されながら見学。まぁ自分の英語もアレなレベルですが。 結局ここは「Erlebnis Museum」ということで、アラブ民族博物館(?)。

サハラ砂漠の砂がケースに入れられており、触っていいよとのことで掬ったりつまんだり。すごく細かい粒で驚くほどサラサラ。まさにパウダー。ほか、当時のエジプト人が送っていた書簡とか手紙の展示があり、入場の際にもらったB5ほどのパピルスにヒエログリフ(古代エジプト文字)を写してみようだとか。

大きな壷を頭に載せて歩いてみたり、展示されている木船に乗れたりと、体験学習的な博物館という感じ。A2サイズほどの大きな動物の革を紙の代わりにして色鮮やかな挿絵も描かれた聖書があり、(手袋をつけて)開かせてくれたりも。30分ほどで回れて、結果的にはなかなか面白いところでした。


フランクフルト・アム・マイン
次こそ、実用芸術博物館。
奥まった感じのところにあるので、見つけ辛かったですね。そして、建物は外壁工事中の様子。

こちらもちょうど特別展をメインにした感じの展示。白壁の中に、ちょいと金細工を並べた展示など。壁も床も白をテーマにして、わざわざスリッパに履き替えたりと、面倒…。見物客に不便を強いる芸術というのはどうかと。現代芸術家の、こういう見せ方はあまり好きではないですよ。

常設展では、東南アジアの仏像や中国・唐の時代の陶器に、日本の陶器(最近製作された常滑焼)や蒔絵の箱に鎧兜などの展示。ヨーロッパ人にしてみれば、こういう博物館が東洋芸術に触れる場なのでしょうね。

そしてようやく、最後の展示室。実質の常展、近現代の工業製品等。これが見たかったのです。長かった…。

1本の柱にぐるっと、水場・まな板調理場・コンロがそれぞれ扇形に段々と設置されたキッチンが面白かったですね。ほか、東急ハンズで売ってるようなおしゃれな電話機や、ブラウン社の髭剃りの進化を垣間見られる商品展示など。任天堂のゲームボーイや、アップルコンピュータのマッキントッシュなども展示されています。

数々のアーティステックなデザイナーズチェアがメイン展示の紹介になっており、これを見ることを目的に来たわけですが、隙間が無いようにぎっしりと椅子を並べて展示してあるため、1つ1つの作品をじっくり見られない感じ。なんとか楽しめはしたものの、展示方法は勿体無いというか。

モダン・アート美術館と実用芸術博物館。2つ併せてもNYのMoMAには遠いかな。

という感じに、Shaumankaiを離れ、再びマイン川を渡ります。15時過ぎ。

2009/07/26(SUN)_2-3
フランクフルト・アム・マイン
次は、ユダヤ博物館。
午前に寄ったユダヤ人街記念館と姉妹館というところ。同様に、厳重なセキュリティチェック。

こちらはまず、ユダヤ教徒の歴史からナチス時代の迫害などのパネル紹介や、美術品の展示。終戦後、連合軍によって何万点に及ぶ美術品がドイツから流出したという紹介や、これらを戻そうという運動やシオニズムのポスターなどの紹介展示。協賛ということでなのか、パンナム航空の飛行機が描かれていたりと、時代を感じさせます。

上の階に上がると、20世紀初頭頃の学校教育風景や、家庭での生活風景の紹介。

フランクフルト・アム・マイン
フランクフルト・アム・マイン
「ハヌッキーヤー」と呼ばれる八枝の燭台が壁一面に何十と展示されており、これが美しかったです。

こちらの美術館はどこも展示物撮影の禁止はされておらず、それでも自分は目で見るのみにしてましたが、ハヌッキーヤーについてはその中で数点写真に収めておきました。それほど、これは美しかったですね。ほか、緻密な模様の描かれた銀食器の数々など、美しくて見応えがありましたよ。

これらの紹介も載っているパンフレット(全英語・7.00EUR)も購入しましたし、迫害という歴史の紹介もありますが、といいますかその歴史を知ることも含めて、この博物館はお勧めしておきます。事前でも事後でも、映画「シンドラーのリスト」を見ておくとより深まりますね。

本日の博物館巡りはこれで終了。
時間は16:30頃。もうちょっと、フラフラと歩きます。

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